7月の福岡の街は活気にあふれています。その理由は、やはりこの街を挙げて行われる祇園山笠でしょう。お祭りの成り立ちは様々に語られていますが、室町時代に始まった疫病の除去と祇園信仰(スサノオノミコトを信仰すること)が元と言われています。
祇園山笠のメインの舞台は博多の市中の道路ですが、基本的には櫛田神社の祇園例大祭というれっきとした神社祭礼のため、舁き山の仕舞われた場所では櫛田神社の神主が御神霊を入れる神事も行われます。
博多祇園山笠の期間は、7月1日から7月15日の2週間です。これからご紹介するポイントを押さえて、楽しくて安全な祇園山笠見物を体験しましょう!
博多祇園山笠の楽しみ方
博多祇園山笠の楽しみ方は2つあります。1つはふんどしとさらし姿の男性陣の舁き山笠をコースに立って待ち受け、その迫力を体感することです。
これは7月10日から7月14日(7月10日、11日、14日の3日)の間に体験できる、最も祭が楽しめる方法です。この楽しみ方のポイントは、舁き山の通るコースを事前に把握することです。
博多祇園山笠の通る道はホームページにも公開されていますが、最もわかりやすいのが舁き山のしまってある「山小屋」周辺です。舁き山は必ず山小屋から出発します。こちらで出発時間まで舁き山を待ちましょう。
2つ目の楽しみ方は、祇園山笠の際に聞こえる、声や音に注目する方法です。祇園山笠の期間、博多の街では様々な音が聴こえます。
最も特徴的なのが、祭りの最終日に唄われる祝い唄(祝いめでた)です。これは結婚式やおめでたい行事の際に博多の街では必ず謳われる歌で、祇園山笠の際には舁き山を「櫛田入り」する際一番山笠の集団が一番だけを唄います。
次に祭りで聞こえてくるのが、舁き山を舁く際にかけられる「おっしょい」という声です。この「おっしょい」という声の聴こえる祇園山笠の風景は、日本の音風景100選にも選ばれていますよ。
祇園山笠の神事に限っては、女性は参加する楽しみ方はありません。それは昔からの習慣で、女性は山を引くことも神輿を担ぐこともタブーとされているためです。
ちなみに、祇園山笠はスサノオノミコトに奉納するお祭りであるため、期間中は舁き山の舁き手はキュウリを食べることもタブーとされています。
博多山笠の見どころとは?
博多祇園山笠の見どころと言えば、やはり飾り山笠と追い山笠です。
飾り山笠
飾り山笠は博多の街の各町内に飾られた、置いてその美しさを見る山笠のことです。展示の期間は、7月1日から15日の2週間で、その間は深夜でも飾り山を見ることができます。
豪華絢爛な山笠は、たくさんの博多人形が付いていて、その高さは約10メートルとなります。様々な飾りがついた16台の飾り山笠は、各々にストーリーが描かれており、思わず写真に納めたくなってしまう風景のひとつです。
追い山笠
もひとつの見どころである追い山笠は、博多祇園山笠の最終日早朝に催される櫛田入りの行事のことです。
2週間の間、博多の街中に置かれひきまわされた舁き山は、最終日の7月15日に櫛田神社と舁き山のひかれるコースでその速さが計られます。
追い山笠の舁き山は、とにかく早いです。建物の角を曲がるときは、特に気をつけて見学しないと思わぬケガをすることもあるかもしれませんので、気をつけてくださいね。
この他に博多祇園山笠の見どころを挙げるとすれば、各町で舁き手の方々が着ているハッピとハチマキにする手ぬぐいです。
この手ぬぐいは、つけている人が祭りにおいて、どのような役割を果たしているかを示すものです。特に赤手ぬぐいは、若手のリーダー的存在を示す色として知られています。
この手ぬぐいを付けるために町内の若者たちは、それぞれ切磋琢磨して舁き山の経験を積んでいます。お祭りを見物する際は、まずは頭につけた手ぬぐいをチェックしてみましょう。
博多祇園山笠の見物場所はどこがベスト?
博多祇園山笠の見物場所のベストスポットは、やはり危険の少ない山小屋周辺、または櫛田入りの見学ができる無料の桟敷席でしょう。
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また、舁き山のコースの周りには、高いホテルなどの商業施設に宿泊したり食事をしに行っても見ることもできますよ。
ちなみに、場所を押さえることも重要ですが、博多祇園山笠では時間を押さえることも重要です。各日の舁き山の動く姿を見れる時間は以下の通りです。
[su_note note_color=”#e9edfe” text_color=”#181e19″]7月10日 16:00~18:00
7月11日 5:00~ 6:00、15:00~17:30
7月14日 16:00~17:00[/su_note]
細かいルートはホームページで事前に確認するか、当日にルートマップを現地の案内所で手に入れましょう。なお、コースは変更になることがありますので、しっかり確認してください。
まとめ
博多祇園山笠は神社祭礼の要素もありながら、運営する住民の方々がクローズアップされることの多いお祭りです。
様々なタブーもありながら、700年の間受け継がれ、住民の間には独特の結束力が生まれています。そこにおいて、私達のような祭の見学者は「お客さん」として迎えられます。
博多祇園山笠の主催である櫛田神社は、空港線祇園駅から徒歩約5分の所にあります。7月10日から15日の間は、何かしらのイベントがこの周辺ではありますので、勢いよく走る舁き山だけじゃなく、町全体の雰囲気を楽しんでみてくださいね。
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