本(マンガ)やテレビゲームに加え、スマホやタブレットを見続ける機会がグンと増えています。子供の視力が落ちてきたのに気づいたら、親は最初に何をしたら良いのでしょうか。

遠くを見るようにしたり、テレビを減らしたりしても、成長期の子供は視力が落ちるスピードも速いのです。気づいた時に取るべき適切な対処と眼鏡の使用について、知っておきましょう。
子供の視力が回復する方法とは?
子供の視力を回復させる方法としては、眼科の治療ではほとんど効果がないというのが実状ですよね。
眼科で処方される目薬やワックと呼ばれる治療法は、人によってはうまくいく場合もありますが、多くはほとんど効果が出ないまま視力が落ちていき、メガネを常用する生活になってしまいます。
眼科で処方される目薬は、目の緊張をほぐし、水晶体を元の状態に戻し、ピントを合わせる力を取り戻す効果があります。ただし、現実には、視力回復の効果が得られる人は一部なのです。
ワックは、遠くを見る望遠訓練を病院内で行うことができる装置です。ワックに映し出される立体画像を、5分間眺める訓練を行います。
これらの方法に対して、民間では低周波や超音波を目の周りに当てる理学的療法、視力を上げるサプリメント、マジカルアイという3Dの絵本を活用する方法などもあります。
また、近年注目されている方法としては、1日10数分のトレーニングを自宅で続けるだけのアイトレーニングという方法があります。ワックや超音波などで治らなかった子供にも効果があり、メガネと同じくらいの料金でできるというのも魅力です。
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もし子供がメガネを嫌がっているとしたら、アイトレーニングのような効果があると言われている方法を早い段階で試すのは悪くないと思いますよ。
子供の目が悪いなら眼鏡をさせるべき?
ところで、学校の眼科検診で検眼通知書をもらってしまったら、まずやるべきことはテレビやゲームの禁止よりも眼科を受診することです。
実は、小さなお子さんの場合、近視と思っていたら遠視が原因で見にくかったということもあります。近視と遠視では治療法がまったく違うので、まずは眼科へ行き、どんな状態であるかを把握しましょう。
あわてて眼鏡店でメガネを作る、というのも、待った!なのです。
遠視
遠視の場合は、遠視専用の眼鏡を使います。一般的に遠視は、遠くの物がよく見えるというよりも、ピントを合わせる力が弱い場合に起こります。
そのため、メガネを使って網膜が正しくピントを合わせることができるように矯正するのです。遠視を放置しておくと弱視になってしまうリスクもあるので、眼科で適切な治療を受けることが大切です。
近視
近視の場合は、軸性近視と屈折性近視に大きく分けられます。
軸性近視は、目の奥行きが長くなったままの状態で、網膜が後ろにずれてしまい、遠くの物が網膜に映らなくなり、遠くが見えにくくなります。
屈折性近視は、眼の前のほうにある水晶体が緊張してふくらんだままの状態になり、遠くの物が見えにくくなります。水晶体の緊張を目薬などでほぐすと、元に戻ります。
以上のように、軸性近視は治りにくく、屈折性近視は治る可能性のある症状です。眼科では目の奥行(眼軸)を測定してどちらか診断することができます。
遺伝の要素の強い軸性近視の場合、テレビやゲームを長時間続けることで、眼の調節機能が衰え、近視が進行します。日ごろの目の使い方に気をつけることが大切です。
屈折性近視は、仮性近視とも呼ばれるもので、子どもがよくかかります。屈折性近視であれば、適切な対処で視力がぐんぐん良くなる可能性もありますよ。
そもそも幼児の目が悪い原因は?
幼児や小学生の目が悪くなる原因は、遺伝と生活習慣によるものです。
遺伝は、親が近視の場合、高い確率で遺伝します。
生活習慣は、ゲームや読書を長い時間続ける、テレビやスマホを長時間見続けることなどです。近くを見過ぎることで、眼の調節機能が衰えます。
逆に戸外で活動する時間が長いと、視力の衰えが抑制され、近視が改善されることもあります。小さいうちは、積極的に外で遊ばせましょう。
以前は、メガネをかけると近視が進むと言われることもありましたが、メガネをかけること自体は、進行をうながす行為ではありません。
ただ、それまで目を細めたり角度を変えたりして自分で見やすくしていた子供は、メガネを使い始めると見えやすくなって自分で調節をしなくなるために、視力検査をすると以前よりも悪い結果が出るということが起こります。
つまり、メガネで近視が進むわけではありません。でも、メガネを使う前に視力を回復させ、少しでもメガネを使う時期を遅らせるようにしてあげたいものです。
遺伝はどうしようもありませんが、視神経が完成するのは5歳頃までと言われているので、せめてそこまでの生活習慣には親として気を配ってあげてくださいね。
まとめ
視力検査で眼科を受診し、目薬やワックを1ヶ月ほど試してみて、視力が上がればバンザイですが、視力が上がらなかった場合は、スグに眼鏡を買うのではなく、視力回復の別方法を試すのがいいですね。
小さいうちからメガネ生活をさせるのはかわいそうですし、安易にメガネを取り入れてしまうと、どんどん近視が進んでしまうことにもなりかねません。
可能性があるなら、トレーニングで視力を回復させて、本来の視力を取り戻させてあげましょう!