風邪のシーズンと花粉症のシーズンは、部分的に重なります。花粉症体質の人が風邪をひいてしまうと大変! 併発により、より症状が重く辛くなってしまうんですよね。

花粉症と風邪の見分け方を、ざっくりと一覧表にしてみました。
また、これらを併発した場合、薬の併用は大丈夫なのか、薬以外で気をつけることはあるのか、などについて知っておくと慌てずにすみますよ。
花粉症と風邪の見分け方は?
花粉症のツライ症状に鼻水や鼻詰まりがあります。風邪の症状と似ていますが微妙な違いがあるので、花粉症と風邪の見分け方を知っておくと、早めの対処につながります。
花粉症と風邪のざっくりした違い
症状 | 花粉症 | 風邪 |
鼻水 | 粘り気がなくサラサラ | 黄色っぽくネバネバ |
目 | かゆくなる | かゆくならない |
くしゃみ | かなり連続する | そこまで連続しない |
熱 | 出にくい | 微熱~高熱が出る |
関節 | 痛みはない | 痛みが出ることも |
(注)分かりやすく大げさに書いています。必ずしもこうなるというワケではありません。
まずは鼻水の状態を確認してみましょう。粘り気がなくサラサラした状態なら、花粉症の可能性が高くなります。
風邪の場合はウィルスが原因で鼻水が出るので、はじめは水っぽいのですが、次第に黄色っぽい粘度の高い鼻水になってくるからです。
また、飛んできた花粉は体のあちこちに付着するので、目がかゆくなることがあります。ひどい状態になると肌までかゆくなってきます。
風邪で目がかゆくなることはあまりないので、これも花粉症だと分かります。
どちらの症状にも当てはまるくしゃみですが、花粉が原因の場合は連続してくしゃみが出ることがあります。
疲れを感じるほどくしゃみを連発するような時は、花粉が影響していると考えてもいいでしょう。
さらに、風邪をひくとウィルス撃退のため高熱が出ることがありますが、花粉症で高熱が出ることはありません。
こういった項目を実際の症状と比較してみれば、簡単な見分け方になりますので参考にしてみてくださいね。
花粉症と風邪を併発した場合
花粉症と風邪を併発したと思われるとき、まずは風邪の症状に良くない漢方の服用や体を冷やしてしまうような食事などは避けてください。
風邪の時はゆっくりと休息を取ることが何よりも症状を改善させるのに良いことですから、なるべく体力を使わないように気をつかいたいものです。
体のだるさや眠気が発生した時、季節の変わり目だと花粉のせいだと思ってしまいがちですが、風邪による症状であることも多いので注意が必要なのです。
たとえば、花粉症であれば体をあたためても鼻水が出てしまうことがありますが、風邪であれば冷えを改善することで鼻水が治まることもあります。
そういった体調の変化にも注意して、前述のような判断をしてみるといいでしょう。
なにより、花粉症の人が風邪を長引かせてしまうと、蓄膿症になってしまう危険もあると言われています。そのため、手当により早く治せる可能性のある風邪を真っ先に退治しましょう!
花粉症と風邪が併発しているかどうかを自己判断するにはとても難しいので、早く治したいなら内科の診療を受けてみるのがおすすめです。
花粉症と風邪の薬って併用しても大丈夫?
ただでさえ、目鼻がむずむずしてツラいのに、風邪をひいてしまったみたい・・・。
そんなとき、思わず市販の薬に手が伸びそうになりますが、花粉症と風邪の薬は同時に服用しても大丈夫なのでしょうか?
結論から言うと、これはダメ!
市販の風邪薬の多くには、ちゃんと説明書に花粉症の薬との併用はしないように、という注意書きがあります。
このふたつには共通して、抗ヒスタミンと血管収縮薬が含まれており、同時に飲み合わせるとそれらの化学物質の血中濃度が高くなりすぎて、副作用があらわれることがあります。
頻度は高くないですが重篤な副作用としては、血小板減少、緑内障、尿閉塞などがありえますので、安易に手を出さない方が無難なのです。
ですので、風邪と花粉症の症状が出た場合は、どちらかヒドい症状の方だけひとつを選んで服用するようにしてください。
といっても、今日は風邪、明日は花粉症と交互に飲むよりも、一般的には先に風邪を治してしまった方がよいという判断をすることが多いでしょう。
ちなみに、花粉症で耳鼻科にかかり、処方された薬をいつも服用しているのであれば、その専門医を受診して現状を説明し、医師のアドバイスに従うようにするのがもっとも安全です。
まとめ
ウイルスが原因である風邪なら、きちんと薬を飲んだりカラダを休めたりすることで、ほとんどが1週間前後で完治するものです。
そこをがんばりすぎて長引かせてしまうと、花粉症との症状で二重に苦しくなってしまうので、併用したらいつも以上に安静にしておくのがいいと思いますよ。
特に薬についての自己判断は危険です。病院へ行く時間もない、というなら、せめて薬剤師さんが常駐している薬局でアドバイスをもらうようにしてくださいね。